つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

気管支喘息の病態生理

気管支喘息とは…

慢性の気道炎症、気道過敏性の亢進、可逆性の気道閉塞を特徴とする疾患であり、これらの病態が複雑に絡み合うことにより閉塞性換気障害をきたし、喘息の症状が出る。発作性で反復性の咳嗽、喘鳴、呼吸困難を特徴とする。

 

発作は反復性で、安静時にも生じることが特徴である。発作の引き金としては、ハウスダスト・ペット・真菌類・風邪・疲労やストレス・タバコ・時間帯など様々なものが考えられる。

 

喘息は1型アレルギーが関与するアトピー型(IgE依存型)と1型アレルギーが関与しない非アトピー型(IgE非依存型)に分類される。

 

■アトピー型喘息の病態生理

 

第1段階:1型アレルギーによる平滑筋収縮と気道壁の腫脹

 

肥満細胞の表面にはIgEレセプターがあり、IgEと結合することで脱顆粒して化学物質を放出する(ヒスタミン、アラキドン酸)。

ヒスタミンは血管拡張作用、血管透過性亢進作用、気管支平滑筋収縮作用がある。

アラキドン酸はホスホリパーゼを活性化し、最終的にロイコトリエン類、プロスタグランジン、トロンボキサンを産生。ロイコトリエンは気道粘液分泌作用、気管支平滑筋収縮作用、血管透過性亢進作用を有する。プロスタグランジン類の一部もロイコトリエンと同じ働きをする。トロンボキサンTXA2は気管支平滑筋収縮作用、気道過敏性亢進作用、血小板凝集作用などを持つ。そして気管支平滑筋が収縮し、血管透過性亢進によって気道粘膜に浮腫が生じれば、呼吸しづらくなる。

1型アレルギーは即時型なので抗原に暴露されて数分以内に喘息発作が起こる。

 

 

第二段階:好中球の浸潤

 

先ほどの即時型アレルギー反応は可逆的で多くは一時間以内に軽快するが、それから数時間すると抗原に暴露されていないにもかかわらず、同様の喘息症状が再燃する(=遅発型反応)。この鍵をにぎるのは好酸球で、肥満細胞が合成していたプロスタグランジンやロイコトリエンには好酸球を呼び寄せる作用(=好中球遊走作用)があるのである。集まってきた好中球は主要塩基性蛋白(MBP)や好酸球陽イオン蛋白(ECP)を含んだ顆粒を放出し、これが更に気道の炎症を促進するのである。

 

第三段階:上皮細胞の剥離と気道過敏性の獲得

 

発作を繰り返しているうちに気道の粘膜上皮細胞はボロボロになって剥離し、自律神経の末端が露出する。すると気温や湿度の変化、軽度の大気汚染に過敏に反応してしまうようになるのである。(=気道過敏性の獲得)

自律神経末端は更にムスカリン作用によって気管支腺及び胚細胞からの粘液分泌を促進して、次第に気管支腺は肥大し、胚細胞は過形成を示す。この結果、気道は過分泌状態になるのである。

 

第四段階:気道壁のリモデリング

 

発作が更に続くと、気管支平滑筋が飛行するとともに、基底膜化の粘膜固有層が線維化する。これを気道壁のリモデリングと呼ぶ。急性の病態による気道閉塞には可逆性があるが、慢性の病態である気道壁のリモデリングは不可逆的であり、組織構造そのものが変化してしまい、気道の内径が狭窄してしまうのである。