一次止血と二次止血の違い
■人の止血機構は大きく一時止血と二次止血に分けることができる。
一時止血とは…
血管が破けて出血した時にまず駆けつけてくれるのは血小板。血小板が血管が破れてできた孔にへばりつき(粘着)、とりあえず塞ぐ。勿論一個の血小板程度では到底塞ぐことができないので仲間も続々と駆けつけ凝集する。このように形成された止血栓を一時止血栓という。
しかし…この程度の塞ぎ方では強い血液の圧力に抵抗しきれずに剥がれてしまう。そこで血小板が何とか持ちこたえてくれる間に凝固因子という助っ人がやってくる。二次止血とは、一時止血栓を補強して永久的に止血することで、凝固因子が次から次へと活性化され、最終的にフィブリンが析出して止血栓をつくる。こうして形成された止血栓は二次止血栓という。
ここからは病態生理的なお話
■一時止血に関係する病気
一時止血は血小板の粘着・放出・凝集という3つのステップで構成される。
それぞれのステップで障害が起きるとそれが病気となって現れてしまう。
粘着とは…
血小板はvon villebrand因子を介して血管壁コラーゲンと結合する。血小板の膜上糖蛋白であるGPⅠb/Ⅸ複合体がvWFに結合する。
関連する疾患:Bernard-Soulier症候群、von Willebrand病など
放出とは…
粘着により活性化した血小板はADPやTXA2などの物質を細胞外へ分泌する。ADPは更に血小板を活性化し、TXA2は血小板凝集作用と血管収縮作用を持ち、止血へと働きかける。
関連する疾患:strage pool病
凝集とは…
血小板の膜上糖タンパクであるGPⅡb/Ⅲa複合体がフィブリノゲンと結合し、それを介して血小板同士が互いに凝集し血栓を形成する(=一次血栓)
関連する疾患:血小板無力症