つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

補体とは、補体経路についてわかりやすく

勉強がてら補体についてまとめてみた


・補体とは何か

最近感染に体する防御は体液性免疫によって抗体を産生し、好中球によるドン色という組み合わせで起こるが、他にも補体という物質によって最近を倒す事が可能なのである。別の言い方をすれば、「あることをきっかけに様々な免疫反応を引き起こす血中タンパク質」とでも言える。

・補体にはどんな種類があるのか

大きく分けると、C1~C9という9つの成分がある。更にはC1はc1q,c1s,c1rなどと細かいサブタイプに分類されている。

・補体の働き、補体の代表的な役割

c3a,c5a・・・マスト細胞を刺激してアナフィラキシー反応を生じさせる。(アナフィラトキシン)

c3b・・・異物に結合し好中球やマクロファージの鈍職能をアップさせる(オプソニン化)

c5a・・・好中球を炎症部位に呼び寄せるケモカイン(遊走因子)

c5b6789・・・細菌の細胞膜に穴を開け、免疫溶菌反応を引き起こす。

・古典的経路、第2経路(副経路)、レクチン経路の違い



・古典経路
古典経路では、IgMまたはIgGの抗体分子のFc部に補体が結合することから始まる。抗体に結合する補体はC1qであり、C1qが結合するとC1r酵素活性が活性化してC1sを分解する。これによって、C1sが活性化する。活性化したC1sはC4に作用して、C4aとC4bに分解する。またC1sはC2にも作用して、C2をC2aとC2bに分解する。C4bは細胞膜に結合できる性質があり、C2aは細胞膜に結合したC4bと結合して複合体を作る。C4bとC2aの複合体はC3を分解するC3転換酵素であり、C3をC3aとC3bに分解する。C3bはC4b2b複合体と結合し、C4b2b3b複合体となる。なお、C3aはアナフェラキシーを引き起こす作用がある。C4b2b3b複合体はC5転換酵素であり、C5をC5aとC5bに分解する。C5bにC6,C7,C8,C9が結合したC5b6789複合体は膜侵襲複合体(membrane attack complex:MAC)と呼ばれ、細胞膜に孔を作って細菌を融解させる。C5aには上述の通りアナフェラキシーを引き起こす作用がある。

ポイント:c1qが抗体のFc部分への結合を介して微生物表面にくっつく事が古典経路の開始!最終的に膜侵襲複合体によって細胞膜に孔を作って細菌を融解させる。



・第二経路(副経路)
第二経路は微生物の細胞膜上で起こる。抗体を介さずに直接C3が微生物表面にくっつく。この経路では、まずC3が加水分解を起こしてC3(H2O)となる。C3(H2O)はB因子と結合し、この複合体にD因子が作用するとC3(H2O)Bbとなる。C3(H2O)BbはC3転換酵素である。C3(H2O)Bbによって、C3はC3aとC3bに分解される。C3bにB因子が結合してC3bBとなり、これにD因子が作用してC3bBbとなる。C3bBbにもC3転換酵素活性があり、この作用によってC3がどんどん分解される。C3bBbにC3bが結合すると、今度はC5転換酵素としての作用を示す。C5に作用した後は、古典経路と同じ経路を辿る。(つまり、C5をC5aとC5bに分解する。C5bにC6,C7,C8,C9が結合したC5b6789複合体は膜侵襲複合体(membrane attack complex:MAC)と呼ばれ、細胞膜に孔を作って細菌を融解させる。C5aには上述の通りアナフェラキシーを引き起こす作用がある。)


ポイント:病原体表面で直接C3の加水分解が行われることで第2経路は開始する。他の経路のように病原体に結合した抗体は必要ではない。複雑な過程を経た後にC5にC5転換酵素が働き、古典経路と同じ運命を辿る。(=膜侵襲複合体によって細胞膜に孔を作って細菌を融解させる。)

・レクチン経路
微生物の細胞表面にはマンナンやレクチンが存在する。マンナンとは糖であり、D-マンノースからなる多糖である。レクチンは糖と結合する性質をもつタンパクである。レクチン経路ではマンナン結合タンパク(MBL)とMASP(プロテアーゼの一種)が関与する。MBLとはマンナンと結合する性質のあるタンパクである。マンナンとMBLが結合するとMASPが活性化する。MASPはC1sのように働き、C4に作用する。後は古典経路と同である。