つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

「酸素10L/分投与」でどれだけ患者に酸素が届いているか

「酸素10L/分投与」でどの程度患者に酸素が入ってるのか

 

成人男性で1回の換気量を500mlとし、呼吸の時間を吸気1秒、呼気2秒と仮定すると1分間で20回吸気することになる。すると1分間での吸気量は合計で500ml✕20回=10000ml/分=10L/分となる。よって酸素10L/分投与ではほぼフルで酸素が送られている。というのはありがちな間違った考え方。

 

酸素10L/分で投与するということは単純に計算して1秒で167mlの酸素が投与されることになる。吸気時間を1秒とすると患者は500ml吸いたいのに酸素は167mlしか送られてこない。とすると残りの500-167ml=333mlの分は周囲の大気中の空気(酸素21%)が入り込んでくることになる。よって10L/分で166ml分は純酸素、333ml分は21%酸素ということになってしまうのである。

 

ということで10L/分酸素では100%酸素には届いておらず、30L/分のスピードで酸素を送らなければ吸入する気体全てを酸素にすることは出来ない。

一応計算してみると、30L/分ということは1秒で500mlなので一回の吸気が1秒、換気量が500mlと仮定すれば吸気の時に送られてくる純酸素全てを吸うことが出来るという計算になる。尚、酸素30L/分の投与スピードの一つのラインでこれを高流量(ハイフロー)システムという。