つねぴーblog@内科専門医

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プレーン徴候は精巣捻転の診断に有用か?

プレーン徴候は精巣捻転の診断に有用か?

 

【プレーン徴候の機序】

プレーン徴候(prehn徴候)とは急性陰嚢痛の患者に対して精巣を挙上することで痛みが増強する徴候である。精巣を持ち上げて痛みが軽快すれば精巣上体炎を疑い、痛みが増強すれば精巣捻転を疑う。精巣上体炎でプレーン徴候陰性なのは、重力で引っ張られてブラブラしているものを下から支えてあげれば炎症部が楽になるという理屈である。一方、精巣捻転であればねじれてしまってる痛みなので持ち上げたところで捻れは変わらないので効果がない(プレーン徴候陽性という)。

が、プレーン徴候が認められなくても精巣上体炎を示唆する程度のもので、精巣捻転が除外できるというものではない。

 

プレーン徴候のイメージ

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画像参照:http://amedicalstudent.blog61.fc2.com/page-2.html

 

 

更に、プレーン徴候は精巣上体炎よりも精巣捻転の方がより高頻度で見られたという報告もあり、あまりコンセンサスを得られていない所見である。

www.ncbi.nlm.nih.gov

かの有名な”研修医当直御法度”においても「プレーン徴候はあてにならない」と一言否定されている。