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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

RDSでアシドーシスになる機序

IRDS(特発性呼吸窮迫症候群)でアシドーシスになるメカニズム

 

IRDSとは表面活性物質が産生されないことにより、出生時の「おぎゃー」という第一呼吸で一度開いた肺胞を維持できずに肺が再度虚脱してしまう疾患である。原因としては母親の糖尿病や早期産などがある。肺は最後の方に形成されるので、早く生まれると出生時に肺が未熟で二型肺胞上皮からサーファクタントを十分に産生できずに肺胞を開くことが出来ない。

 

肺におけるガス交換が正常に行われないのでPaO2は低下し、PaCO2は上昇する(呼吸性アシドーシス)。そして、PaO2が低下することにより動脈管の閉鎖が遅れる(本来であれば動脈管はO2上昇によって閉鎖する)。

また、低O2により肺血管が攣縮し、肺高血圧ともなる。すると、全身から還ってきて血流は肺には流れにくくなり、卵円孔・動脈管などの右左シャントから酸素化されない状態で全身に行ってしまう。すると組織に酸素が十分に送られないので解糖系によるエネルギー消費が亢進して乳酸がたまる(=代謝性アシドーシス)。

 

よってRDSでは呼吸性アシドーシスと代謝性アシドーシスの両方が生じる混合性アシドーシスの状態になるのである。

 

検査:

マイクロバルブテストで泡立たない(サーファクタントがないから)

胸部レントゲンで網様顆粒状陰影(虚脱した肺胞と広がっている肺胞が混ざり合うことによる所見)、air bronchogram(肺胞が虚脱することにより、肺胞以外の気管支がよく見える所見。あたかも気管支が造影されているようにみえる。)

 

治療:

PEEPにより肺胞を開かせる、表面活性物資を経気道的に投与する他、重炭酸ナトリウムによるアシドーシスの補正を行う。

なお、低酸素血症に対して高濃度酸素を与え過ぎると網膜血管の攣縮が起こり、未熟児網膜症を引き起こすので注意が必要。