つねぴーblog@内科専門医

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グルカゴノーマで壊死性遊走性紅斑が見られる理由

グルカゴノーマで壊死性遊走性紅斑が見られる理由

 

グルカゴノーマとはグルカゴンを過剰に分泌する腫瘍性病変である。グルカゴンは肝臓のグリコーゲンを分解しグルコースにする働きがあるので血糖値が上昇し糖尿病をきたす。また、グルカゴンはアミノ酸をグルコースに変換する作用もあるので低アミノ酸血症も生じる

壊死性遊走性紅斑はグルカゴノーマの70%に見られる特徴的な所見であるが、これには低アミノ酸血症が原因であると考えられている。
アミノ酸はタンパク質の材料なのでアミノ酸が足りなくなると皮膚を形成するタンパク質も欠乏してしまい、新陳代謝の盛んな皮膚で水泡やびらんなどの症状が起こる。「遊走性」というのは皮膚症状が出た場所が治った頃に別の場所に皮膚症状が出てあたかも移動しているかのようにみえるのでそのように呼ばれるのである。