つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

SaO2とSpO2の違い(+血液ガス表記の読み方)

動脈血中のヘモグロビンのうち、何%が酸素と結びついているかを表したものを動脈血酸素飽和度といいSaO2で表す。このaはarterial(動脈)に由来している。

 

臨床では簡便で非侵襲的なパルスオキシメーターで測定することが多く、この場合は経皮的酸素飽和度SpO2と表現する。このpはpercutaneous(経皮的)もしくはpulse oximetry(パルスオキシメーター)に由来する。ちなみにSはSatulation(飽和度)の略。

 

血流が低下している場合やマニュキアなどでパルスオキシメーターの光が遮られる場合、または運動時にSpO2は不正確になる。また、CO中毒などで異常ヘモグロビンが増加している場合、SpO2は実際のSaO2の値と異なって測定されてしまう。

SpO2の正常値はおおよそ95~100%である。

 

簡単にまとめると…

SpO2=パルスオキシメーターによる測定数値(近似値)

SaO2=血液検査による測定数値

ちなみにScvO2はcv(central vein)つまり中心静脈血の酸素飽和度という意味になる。

 

 

 

【追記】

血液ガスの表記方法について今一度整理

 

PaO2を例に

 

1文字目(ガスの圧力なのか、割合なのか、飽和度なのかを決めている)

P;pressure (圧力)、単位はTorr=mmHg

F;fraction(分画、割合)単位は%

S;saturation(飽和度)、単位は%

 

2文字目(ガスのある場所)

I;inspiratory(吸入気)

A;alveolus(肺胞)

a;artery(動脈)

 

3文字目(ガスの種類)

O2:酸素

CO2;二酸化炭素

N2:窒素

 

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他の例

例えばFiO2だとしたら

一文字目はFなので割合

二文字目はiなので吸入気

三文字目はO2なのでガスの種類は酸素

よって酸素をどのぐらいの割合で吸入させているかという意味になる。これは人工呼吸器の設定などで用いられる言葉で、FiO2=40だとしたら40%の割合で酸素を吸入させているという意味になる。ちなみに大気圧のFiO2は21%となる。

 

例その2

PAO2なら

1文字目pressure=分圧

2文字目A=肺胞

3文字目O2=酸素

肺胞気酸素分圧という意味になる。

 

例その3

PaCO2なら

1文字目pressure=分圧

2文字目a=動脈血

3文字目CO2=二酸化炭素

動脈血二酸化炭素分圧という意味になる。