PCPS:mixing zoneについて
VA-ECMO中の管理について
・mixing zone がどこにあるのか考える
PCPS管理中は自己心とPCPSによる送血パワーによってどこにmixing zoneがあるかが変わる。
・上行大動脈
心機能が非常に悪いときはmixing zoneは上行大動脈になる。
PCPSのflowが3-4L/分以上の高流量で回さないと血圧を維持できない。
フルサポートともいうべき状態。Mixing zoneが上行大動脈にあると脳血流はすべてPCPSからの血液で酸素化されていることになる。右橈骨動脈での酸素化もPCPSからの送血となる。
しかし、この状態だと冠動脈に流れる血液は自己心からの血液によって栄養されている状態となるので、酸素飽和度が測定できない。
よって、人工呼吸器の酸素濃度の設定を極端に下げないほうが良い。(肺を休ませるという意味で酸素濃度を下げていった結果、冠動脈の血液が酸素不良であったら事実上冠動脈の虚血が改善しないことになる。)ただし、PCPSのサポートを全力ですることで冠動脈にもPCPSからの血液が送られるという考えもある。
・大動脈弓部
心機能が改善してくるとmixing zoneが大動脈弓部に移動する。
右橈骨動脈の血液ガスやSpO2値がコロコロ変わるので気づくことができる。
Mixing zoneが大動脈弓部にあると脳血流は自己心が供給することになるので脳虚血にならないように人工呼吸器の酸素濃度設定を十分な値に設定しておく。
・下行大動脈
Mixing zoneが下行大動脈に移動してくれば心機能がかなり改善してることになる。
PCPSの流量を下げることが可能。部分サポートという。
☆mixing zoneがどこにあるのか調べる方法
右手と左手両方のSpO2を測定。
PCPSから送られる血液(送血管)の酸素化は極端に良いのでPaO2 300などとなり自己心臓から送られる血液のPaO2とは明らかに異なる。
右手のSpO2が極端によければmixing zoneは上行大動脈
右手のSpO2がそこそこであればmixing zoneは大動脈弓部もしくは下行大動脈
左手のSpO2が極端によければmixing zoneは上行大動脈か大動脈弓部
左手のSpo2がそこそこであればmixing zoneは下行大動脈
また追記します。