つねぴーblog

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

栄養投与手順memo

栄養投与手順memo

 

1,水分量の決定

体重×30~40mlが概算量。

最低必要量=尿量(500ml/day)+不感蒸泄(500ml/day)ー代謝水(300ml/day)という計算式もある。不感蒸泄は37度以上の熱があれば1度につき100~150ml/day上昇する。

嘔吐や下痢があればそれらも考慮する。モニタリングを行いながら調節する。

 

2,カロリーの決定

必要エネルギー量は体重×25~35kcal

*運動量によって25-35の間で調節する。寝たきりであれば25など。

*体重:理想体重なのか実測体重なのかは議論の余地があるが、栄養不良が存在する患者では実測体重を、肥満患者では理想体重を用いる。過剰栄養の予防が目的。

 

*より正確には次のような計算式もある

総エネルギー必要量=基礎代謝量×活動係数×ストレス係数

(活動係数:寝たきり1.2,ベッド以外での活動可能1.3-1.4、重労作可能1.5-2.0

(ストレス係数:小手術1.0-1.3、腫瘍・敗血症:1.2、多臓器不全1.3、頭部外傷1.6など)

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 3,タンパク質や脂肪、糖質の投与量の決定

エネルギーの内訳

・タンパク質:安定時0.8-1.0g/kg、ストレス時1.2-2.0g/kg

(外傷や手術、褥瘡の創傷治癒などには十分な蛋白が必要。少量しか投与していないとエネルギー源として使用されるだけでタンパク合成に回されなくなってしまう。)

・脂肪は総投与量の20-30%。とりあえず25%ほどと覚えておく。

(脂肪製剤は1gあたり9kcal)

・残りのエネルギーを糖で調節

(1日糖質投与量=総投与カロリー-アミノ酸投与量-脂肪投与量)

 

◯栄養投与方法の順番

経口摂取>胃ろう>経鼻チューブ>末梢静脈栄養>中心静脈栄養

 

最優先は上記の通り、経腸栄養であるが、経腸栄養のみが不可能な場合や必要なエネルギー量を十分投与できない場合は静脈栄養の適応となる。

投与期間が1-2周間程度の場合であれば末梢静脈栄養が適応になる。

末梢ルートからアミノ酸や脂肪乳剤の投与を行う。

(末梢からの点滴と、末梢静脈栄養は違う。アミノ酸や脂肪乳剤を投与して初めて末梢静脈栄養となる。)

 

2週間以上の長期に渡って経口摂取や腸管栄養が出来ない場合、そして経静脈的に高カロリーの輸液を投与する必要がある場合は中心静脈栄養を検討する。

 

◯末梢静脈の場合

末梢静脈栄養でもビーフリード2000ml(糖、アミノ酸)とイントラリポス(20%)200ml(脂質)を組み合わせれば1200kcalを稼ぐことができる。

糖150g,アミノ酸60g,脂質40g(糖は1g4kcal,アミノ酸も1g4kcal、脂質も1g9kcal)

合計600kcal+240kcal+360kcalなので1200kcal稼げる。

ブドウ糖液だけでもエネルギー量は稼げるがアミノ酸が入ってないと筋肉異化(崩壊)は防げない。アミノ酸を入れることは単にカロリーを補う以上の意味がある。

 

また、経口摂取がほとんど出来ない患者では必須脂肪酸が欠乏してしまうのでイントラリポスなどの脂肪製剤の投与も必要。脂肪製剤の投与は1日体重1kgあたり2.5gまで。イントラリポス20%100mlなら4時間以上、200mlなら8時間以上かけて投与する。

 

が、末梢静脈栄養の問題点

・上記の方法だと合計2200mlも輸液することになり心不全や腎不全があれば水分制限しないといけないので難しい。

・静脈炎や血管痛(輸液のブドウ糖濃度が濃くなると浸透圧が高くなるので静脈炎を引き起こしてしまうリスクがある。ビーフリードの浸透圧は血漿浸透圧の3倍)

 

◯中心静脈栄養の場合

・ビタミン、微量元素を入れる

・ビタミン→ビタジェクト®など

ビタミンは内服薬や注射剤で全てのビタミンを補える総合ビタミン剤がある。

・微量元素→エレジェクト®など
(微量元素とは鉄、亜鉛、銅、マンガン、要素、セレン、クロム、コバルト、モリブデンなど)

末梢静脈栄養用には微量元素製剤がないが、中心静脈栄養には微量元素製剤があるので忘れずに入れる。

が、現在発売されている微量元素製剤にはクロム、コバルト、セレン、モリブデンなどの微量元素製剤が含まれていないので腸管栄養していない患者では微量元素欠乏するリスクが常にある。

亜鉛不足:14-104日程度不足で欠乏症→皮疹、口内炎、脱毛、下痢、発熱、味覚障害、食欲低下など

セレン不足:1ヶ月程度不足で欠乏症→心筋症、筋肉痛など

 

◯ハイカリックの組成(→糖・電解質液の製剤)

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フルカリックの組成(→糖・電解質・アミノ酸・総合ビタミン液の製剤)

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◯エルネオパ(→糖・電解質・アミノ酸・総合ビタミン・微量元素液の製剤)

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→ハイカリックにはビタミン剤なし。フルカリックにはビタミン剤が入ってる。よってハイカリックを長期投与するような場合は、ビタミン剤、微量元素を別に入れる必要がある。エルネオパであれば全てが一緒に入っているので楽ではある。

エルネオパは世界で初めて、5種類の微量元素(亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素)を配合した製剤。

 

また追記します