とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

f波とF波の違い

心電図でf波とF波の違い

 

・f波とは心房細動の時に出現する波形

心房細動は心房に多数のマイクロリエントリーが出現することによって発生する不整脈。規則正しい興奮を生み出す洞房結節の働きが失われ、代わりに心房の至る所から無秩序な心房興奮(f波)が発生する。この無秩序な興奮は350-700回/分と非常に早い。f波は頻度が早すぎて全て心室に伝わりきらない。つまり、1つの刺激が心房から心室に伝わると、その後神経線維は不応期という興奮の伝わらない状態になるので、次の興奮はブロックされてしまう。よってf波の興奮は伝わったり、伝わらなかったりと非常にランダムに心室に届き、心室を興奮させる。(心電図ではRR感覚が不規則になる

 

【心房細動の一例】

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画像引用:http://iryoukannkeisikaku.blog.fc2.com/blog-date-20150918.html

 

心電図上のポイントは

・P波がない

・RR間隔が不規則

・f波がある(V1でよく見える。が、f波はよくわからなくてもP波がなくてRR間隔が不規則なら心房細動といえる)

 

 

・F波は心房粗動の時に出現する波形

心房粗動は右房内でマクロリエントリーが発生し、一定の回路内を電気興奮がぐるぐると回転することで生じる。洞房結節から興奮が始まっているわけではないのでP波は存在しない。その代わり250〜350回/分程度の規則的なF波(鋸歯状波)が出現する。

F波はノコギリの刃のようなギザギザな形となる。それがかなりの頻度で出現するので基線はゆらゆらと揺れているようにみられる。

【心房粗動の一例】

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画像引用:https://nurseful.jp/career/nursefulshikkanbetsu/cardiology/section_1_03_01/

 

 

心房粗動の心電図上の特徴は

・P波がない

・等電位線がない鋸歯状のF波がある(Ⅱ、Ⅲ、aVFで明瞭)

・2:1や4:1などの割合の房室伝導比率を示す。

 

◯まとめ

F波は粗動波で心房粗動で見られる。(250〜350回/分)

f波は細動波で心房細動で見られる。(350〜750回/分)

どちらもP波の代わりに出現し、どのぐらいギザギザしているのか、細かいのか違い。もっともRR間隔が規則的かどうかで心房細動、心房粗動の鑑別は出来るので後付的にf波なのかF波なのか判断することも可能。