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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

尿ケトン体陽性の原因と意義

ER 代謝内分泌 鑑別診断

尿ケトン体陽性の原因と意義

 

ケトン体とは脂肪がβ酸化によって分解される時にできる副産物である。具体的にはアセト酢酸、βハイドロオキシ酢酸、アセトンが産生される。

尿中にケトン体があるということは当然血中のケトン体濃度が上昇していることを反映している。ケトン体が体内で作られているということは「本来なら1番に利用したい糖が不足していて、脂肪の力も借りたい」という状況の時である。具体的には糖尿病、高脂肪食、絶食、運動などが挙げられる。

 

・糖尿病

1型糖尿病ではインスリンが分泌されず、2型糖尿病ではインスリン抵抗性が上昇することにより、それぞれ末梢細胞が糖の取り込みをうまくできなくなる。すると、エネルギー源として糖を利用できないので代わりに脂肪を分解してエネルギーとする。糖尿病患者が昏睡になった時に考えなければならないものとして糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧性昏睡、低血糖があるが、尿ケトン体が強陽性になるのはDKAだけなので鑑別の材料になる。(詳しくは割愛)

・高脂肪食

脂肪分を炭水化物よりも多く取っているとエネルギー源として脂肪分解が進み、結果として高ケトン血症→ケトン尿陽性となる

・絶食

嘔吐などの消化器症状などで絶食が続いていると、やはりエネルギー源として脂肪分解が進むのでケトン体が産生される。高脂肪食でも反対の絶食でもケトン尿が認められるというのは(多分)面白い話

・運動後

スポーツなど激しい運動をするとケトン体が上昇することが知られている。運動中は筋肉がケトン体をエネルギー源として利用するが、運動終了時にはケトン体が利用されなくなり一過性に高ケトン血症になりうる。このような状態(つまり運動後)でも尿ケトン陽性となることが知られている。