つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

吸引分娩と鉗子分娩の違いと適応

■吸引分娩と鉗子分娩とは

 

吸引分娩とは児頭に金属製の吸引カップを吸着させて吸着圧で牽引して体全体を娩出させる方法

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イラスト引用:www.mihara.com

 

鉗子分娩とは児頭に産科鉗子(トングのような医療器具)をかけてつかんで牽引する方法

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イラスト引用:36歳で妊娠!気になる高齢出産とは?初産から子育て体験記

 

■吸引分娩と鉗子分娩の適応

これらはいずれも急速遂娩の1つであり、分娩を速やかに行いたい時に適応となる。

母体側の要因としては、微弱陣痛や母体疲労、軟産道強靭など分娩第2期が遷延している時。胎児側としては胎位・胎勢・回旋異常などが見られる際に適応となる。

 

更に必須条件として以下のものを満たしていなければならない。

・破水後で子宮口が全開大していること

・児頭骨盤不均衡がないこと(児頭が骨盤の出口より大きくないこと)

・児頭が十分に下降していること(station+2以上)(そうでないと牽引できない)

 

■吸引分娩と鉗子分娩の比較

似たような手技ではあるが、実際には吸引分娩の方が多く用いられる。吸引分娩は操作が簡単であり、児頭圧迫による障害が起こりにくいが産瘤や頭血腫が好発するというデメリットもある。

鉗子分娩は児頭を圧迫したり軟産道を損傷したりしてしまうリスクがある一方、吸引分娩よりも牽引する力は強力である。また、顔位の場合は吸引分娩をすると吸引カップによる窒息の危険があるので行えない。

 

まとめると

【手技の難易度】

吸引分娩:簡単

鉗子分娩:難しい

【牽引力】

吸引分娩:中程度

鉗子分娩:強力

【禁忌】

吸引分娩:顔位では窒息の恐れ、骨盤位では不可能

【デメリット】

吸引分娩:頭血腫や帽状腱膜下血腫のリスク

鉗子分娩:胎児顔面損傷、膣や会陰損傷のリスク