膝蓋腱反射のメカニズム
反射には、需要期からの入力である求心繊維が一つのシナプスを介するだけで直ちに出力のニューロンにつながる単シナプス反射と、複数のシナプスを介してから出力のニューロンにつながる多シナプス反射がある。
単シナプス反射の例としては、伸張反射が知られている。伸張反射は、筋の伸張を刺激として受容し、その筋を収縮して筋の長さを一定に保つように働く反射である。
伸張反射の代表例として膝蓋腱反射が有名である。
膝蓋腱反射の反射弓の構成要素は以下の通り
受容器:大腿四頭筋の中にある筋紡錐
求心路:大腿神経
反射中枢:脊髄前角のα運動ニューロン
遠心路:大腿神経(α運動繊維)
効果器:大腿四頭筋
膝蓋の下で大腿四頭筋の腱をたたくと大腿四頭筋が伸ばされる。
筋肉が伸ばされると、その中に入っている筋紡錐も伸びる。
筋紡錐ののびによって受容器電位が発生する。
・膝蓋腱反射の意義
伸張反射は重力に対抗して身体を支える筋(抗重力筋)に著明で、このことは人間の姿勢保持に重要な役割を演じていることを意味している。
他にもたとえばジャンプなどをして着地する際、大腿四頭筋が反射により収縮することにより、体の負担を軽減するなどの効果もある。