つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

痙性麻痺と弛緩性麻痺の違い

痙性麻痺とは、筋肉がつっぱったまま動かなくなる状態。一方、弛緩性麻痺とは、筋肉がぐにゃぐにゃとなり動かなくなる状態。神経のどこが障害されるかによって痙性麻痺となったり弛緩性麻痺となったりする。

 

上位運動ニューロン(錐体路)障害では、下位運動ニューロンに対する抑制がなくなってしまうため、筋伸張反射が過剰に働き、筋トーヌスは亢進して痙性麻痺となる。脳梗塞の後遺症として痙性麻痺は多い。

 

下位運動ニューロン障害では、筋伸張反射を働かせる信号が筋肉に伝わらない。このため、筋は収縮できずに筋トーヌスは低下し、弛緩性麻痺となる。筋への刺激が消失するため筋は著明に萎縮する。Werdnig-hoffmann病では下位運動ニューロンの変性により弛緩性四肢麻痺を呈する(floppy infant)

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追記:上位ニューロン障害では急性期には弛緩性麻痺を呈するが、6週間程経過すると痙性麻痺に移行する。これは神経の回復過程と考えることもでき、弛緩性麻痺では車いすを使うしか無いが、痙性麻痺では杖をつきながら歩こことができる。