つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

熱傷面積の計算方法と熱傷深度の測定方法

■熱傷面積の計算方法

 

概要:熱傷の重症度は熱傷面積と熱傷深度によって決まる。熱傷面積については2・3度の熱傷の範囲を9の法則を用いて評価する(1度熱傷は評価外であることに注意!)。

 

■9の法則とは

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■5の法則とは

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成人に対する使用では9の法則と5の法則の間に大差ないが、頭部が大きく、四肢が短い乳幼児では5の法則を使用するべきである。最も正確な面積の測定法はLund and Browderの法則であるが、非常に複雑である。

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上図中のA,B,Cの箇所の値は年齢によって変わってくるため、Lund and Browderの法則で素早く熱傷面積を測定するには日頃から計算トレーニングが必要かもしれない…。

 

 

Q:熱傷の深度はどうやって推定されるのか

 

教科書的には熱傷の深度の測定は臨床症状によって評価されている。

具体的には以下のようになる。

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ポイントとしては、

2度熱傷には水疱があり、痛みもある。

3度熱傷になると水疱がなく、痛みもなくなる。

といったところか。

しかしこの見た目による評価方法というのは広く臨床的に用いられているがあくまで症例報告しかなくエビデンスレベルは低い。しかし特定の機器を使用せずに評価できるという点で推奨度は高い。より客観的な方法としてはレーザードップラー計測法とビデオマイクロスコープとを比較した前向きのランダム試験も行われていて、エビデンスレベルはこちらのほうが高い。

 

■レーザードップラー血流計測法とは

可干渉性というレーザーの性質を利用し、レーザー光を当てらられた赤血球の移動速度に応じたドップラー周波数偏移量を検出するものである。皮膚の微小循環動態を監視でき、無侵襲で、即時かつ連続的に測定可能であり、熱傷深度の光学的判定方法として現時点で最も広く使用されている。感度、特異度は94~95%で精度は良好。

 

■ビデオマイクロスコープとは

創面の血管や血流の状態を観察し、熱傷深度の判定を行う方法で、受傷早期に鑑別困難なⅡ度熱傷の深度判定に有用である。熱傷創面を点で観察するため、数カ所のマッピングが必要であるが、ドップラー血流測定法より簡便で無侵襲な診断法として使用されている。