つねぴーblog@内科専門医

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過活動膀胱の薬(β3刺激薬と抗コリン薬の使い分け)

過活動膀胱の薬(β3刺激薬と抗コリン薬の使い分け)メモ

 

・過活動膀胱における尿意切迫感は、昼夜を問わず頻尿の原因となり、膀胱排尿筋不随意収縮である排尿筋過活動に伴い尿失禁も起こしうる。

・過活動膀胱に対して抗コリン薬、β3作動薬を使う。

・過活動膀胱診療ガイドラインでは,初期標準治療薬として抗コリン薬とβ3 作動薬が推奨されている。

【β3作動薬】

・β3作動薬ミラベグロンはメタアナリシスで抗コリン薬と同等の効果が指摘されている。高齢者では抗コリンの副作用である便秘、口渇感、認知機能障害などが出にくいので第一選択となる。

・ミラベグロン(ベタニス)とビベグロン(ベオーバ)が使用可能であり1日1回投与で過活動膀胱の症状に有効。 

・ベタニスには血圧の上昇があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血圧測定を行うことという重要な基本的事項が添付文書に書かれている。β1、β2にも僅かに作用すると考えられている。重篤な心不全には禁忌とされている。べオーバは使用注意とされている。

【抗コリン薬】

・抗コリン薬としては,オキシブチニン,プロピベリン,トルテロジン,ソリフェナシン,イミダフェナシン,フェソテロジン,オキシブチニン貼付剤などがある。

 

💡認知障害を起こしやすいか起こしにくいかは大事

①オキシブチニン(ポラキス)は腎機能障害時に減量の必要はないが、脳血管関門を通過し認知障害を起こす可能性があり高齢者に使用する際には注意が必要。

②フェソテロジン(トビエース)と酒石酸トルテロジン(デトルシトール)は膀胱選択性が高く中枢神経系(認知機能)への影響が少ないとの報告がある。