COPDに対する去痰薬の使い分けとエビデンス
COPDに対する去痰薬の効果とエビデンスメモ。
咳嗽や喀痰はCOPD患者において早期から出現し、QOLを低下させる原因となる。
COPDでは喫煙習慣や繰り返す感染で、気道粘膜表面の線毛が傷つけられており、線毛運動が障害されると痰を外に出そうとする能力が低下し、痰がたまりやすくなる。
COPD患者の湿性咳嗽は粘液繊毛クリアランスが機能不全をきたした結果の代償反応として、咳が亢進している状態である。
去痰薬をうまく使うことで、喀出困難を改善し、代償反応である湿性咳嗽の改善も期待できる。
去痰薬は種類によってメカニズムが異なる。
💡切れの悪い喀痰
→気道粘膜潤滑薬(アンブロキソール(ムコソルバン®))
💡量の多い喀痰
→分泌細胞正常化薬・気道粘液修正薬:カルボシステイン(ムコダイン®)
💡喀痰が多少増えても喀痰のキレを良くしたい
→気道分泌促進薬:ブロムヘキシン(ビソルボン®)
去痰薬(ムコダイン)のエビデンスとしては
700人を対象にしたランダム化比較試験がある。
ムコダイン1500mg/dayを投与VSプラセボで1年後の急性増悪の回数が有意にカルボシステイン群で減少したというもの。(1人あたり1.01 VS1.35回,p=0.004)
参考↓