リンパ浮腫のメモ書き
リンパ浮腫と言われている患者に対して
✅リンパ浮腫の種類
一次性:原因のはっきりとしない特発性と遺伝子異常に伴う先天性(一般に小児領域の疾患)
二次性:がん治療に伴うリンパ節郭清や放射線照射が原因のもの。その他に外傷やフィラリア症など(フィラリア症は日本ではまず無いが海外では多い)
✅リンパ浮腫の鑑別
片側性:DVT、静脈血栓症後遺症、関節炎、がんの存在
両側性:心不全、慢性静脈機能不全症、廃用性浮腫、肝機能障害、腎機能障害、低蛋白血症、甲状腺機能低下症、薬剤性、脂肪性浮腫
✅リンパ浮腫の治療
・挙上
重力の力を借りてリンパ管をできるだけ活発に機能させる。日中は難しくても睡眠時は少し挙上させるだけでぜんぜん違う。また立ち仕事など避けられればベター。
・運動療法
リンパ浮腫のある部位をできるだけ動かす。リンパ管は弁を持っているが、周囲から力が加わるとリンパ管内のリンパ液は一定方向に流れる。脚または腕を動かせば動かすほどリンパ管が周囲の組織から圧排されてリンパ液の流れは盛んになる。僅かな時間を利用して動かすような習慣にするとよい。
・薬剤治療
→浮腫に対して利尿剤が使われることは多いが、リンパ浮腫には基本的に無効。リンパ浮腫は下肢や上腕にだけ蛋白と水が溜まっている状態であり、全身の水を強制的に出させても治らない。むしろ脱水や電解質異常きたすこともり注意が必要。
・減量
肥満であれば減量が非常に大事。脂肪がリンパ管を圧排している状況である。腹部にだけ脂肪がついていても、下肢のむくみには非常に悪い影響がある。