PCPS管理中にドブタミンを使うべき状況
PCPS管理中にドブタミンを使うべき状況
心筋梗塞、心筋炎など心機能が落ち込むことによってPCPS導入する場合は心停止に至らないようにPCPS導入前にドブタミンなど強心薬の投与を開始されていることが多い。しかし、PCPSが開始となった場合は自己心が動かなくても循環は保たれるので心臓を休ませるという考えでドブタミンなどは一旦中止にすることもある。
AMI後などで心臓が少しずつ立ち上がり始めるタイミングで3−5γなどで開始を検討するが、少なくともAMI発症直後などで明らかに心臓が動いてない気絶心筋のタイミングではドブタミンを増やしても心臓にとって負担になるばかりであるという考えで極力使わないという考えもある。
しかし、現実的にはドブタミンをPCPS管理中も使わざるを得ない状況がある。
1つは大動脈弁を開放させるためである。いくら心臓を休ませると言っても大動脈弁すら開放できないぐらいにへばってしまっていると、冠動脈に心臓からの血液が流れなくなるうえに、左室内の血液がうっ血することによって血栓だらけになってしまうリスクが有る。
2つ目の理由として、大動脈弁が開かないと左心系の血液が前に出ていってくれないので間違いなく肺水腫が増悪していく。よって肺水腫予防(目標肺動脈楔入圧は20mmHg以下)+大動脈弁がきちんと開閉してくれるぐらいにはドブタミンの使用は必要であると考えられる。