つねぴーblog@内科専門医

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重症下肢虚血(CLI)を有する患者への対応

✅重症下肢虚血(CLI)を有する患者への対応

重症下肢虚血とは下肢の疼痛や組織欠損を引き起こし、日常生活に多大な制限が生じるのみならず、感染の進行や全身性炎症反応を惹起するなど、短期間のうちに、生命を脅かす可能性があるもの。または、安静時疼痛・潰瘍・壊死を伴い、血行再建無しでは下肢の組織の維持や疼痛の解除が行えない病態を指す。

 

○ TASCⅡによる診断基準

安静時疼痛がある下肢では足関節血圧50mmHg未満または足肢血圧30mmHg未満

潰瘍・壊死を有する肢では足関節血圧70mmHg未満または足趾血圧50mmHg未満であればCLIの可能性が高い。

ただ、CLIの診断には症状と画像所見と生理機能検査を総合的に検討する必要がある。単一の検査結果のみでCLIとは言えない。

 

 ○治療

血行再建:技術的に可能なら行う(クラスⅠ)CLIの予後は保存的加療では1年後死亡率が25%、大切断率が25%である。血行再建出来ない場合は半年以内に40%が下肢切断。20%近くが死亡する。

下肢の一次切断:壊死、難治性安静時疼痛、敗血症などあれば考慮。

薬剤治療:ASOに対しては全身血管のイベントリスクを軽減させるため全患者に推奨される。しかし、抗血小板薬がCLIの予後を改善したというエビデンスはない。アルプロスタジル(プロスタンディン、リプル®、パルクス®)製剤は潰瘍の大きさを縮小させる効果が示されており度々使用されるが、否定的な報告もある。