ECMO管理中の抗生剤
ECMO管理患者に予防的抗生剤をどうするべきか
ECMO管理患者においての予防的抗生剤のエビデンスはないと言われている。ECMO回路自体が炎症反応を惹起させるために血液検査におけるWBCやCRPの上昇は感染症が原因とは言えずに当てにならない。また体温に関してもECMO回路に奪われるため平熱であっても感染症は否定的とは言えない。(逆に高熱が出始めたら感染症は疑わしいとも言える)。
ECMO患者にルーチンで抗生剤投与を行うかどうかはエビデンスが無いため施設によって様々の様である。
・感染の所見がない限り抗生剤を使わない
・カテーテル関連感染による黄色ブドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌を警戒してバンコマイシンを投与する
・ルーチンでバンコマイシン+カルバペネムを用いる
など
大事なことはターゲット不明の状態でダラダラ投与し続けない。
数日おきに血液培養(+喀痰培養、尿培養)を施行する。
ECMO管理中、毎日血液培養することを予防的抗生剤の代わりとなるとの報告もある。
また、抗生剤投与が長期化すればCDIやカンジダ感染のリスクも上昇してくる。
・CDI監視として下痢のチェック
・βDグルカンは数日起きに測定する。(1回だけ測定して満足しない)
ECMO管理患者は多くの場合CVCやスワンガンツカテーテルなど挿入されていることが多いが、カテーテル感染の可能性がある場合は速やかに入れ替えを行う。
また追記します。