つねぴーblog@内科専攻医

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【写真クイズ】次の爪の写真を見て何を想起するべきでしょうか

 

【twitter写真クイズ】外来受診患者。次の写真の爪を見て何を想起するべきでしょうか。

 

 

 

 

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答え:鉄欠乏性貧血

 

(NEJMの症例の解説)

26歳の栄養失調の女性。4日前からの口腔内の痛みと3ヶ月前からの疲労、全身倦怠感、動悸を認めていた。身体所見では眼瞼結膜と爪床の蒼白およびスプーン様爪を認めていた。血液検査ではHb3g/dL,WBC 4100/mLであった。経済的な問題で血清鉄は検査されていなかったが、身体所見と生化学検査からは鉄欠乏性貧血が示唆された。また口腔内に膿瘍も指摘されたためにドレナージされている。赤血球輸血により、Hbは7.1g/dLまで上昇し、全身状態も臨床的に大幅に改善した。鉄欠乏性貧血の原因は特定されていなかったが、地域で蔓延していた鉤虫との関係が推定されている。抗寄生虫薬と鉄剤の投与開始3週間後に全身状態の改善を認めた。

 

*追加の解説(なぜ鉄不足でスプーン爪になるのか)

鉄欠乏性貧血とは鉄の欠乏によって赤芽球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血である。鉄は造血以外にも細胞増殖全般に必要な因子であるので、細胞分裂の盛んな爪は上手く増殖できなくなり、その結果として爪の中央部がくぼんでスプーン状の爪となってしまう。また、粘膜の増殖にも鉄は必要とされるので、鉄が不足していると口腔内の粘膜が傷害されて口内炎、また舌乳頭が萎縮性変化し、舌表面が赤く平滑になる舌炎が生じる。また舌・咽頭の粘膜萎縮のため嚥下困難も起こす。(Plummer-Vinson症候群)