(文献)心不全+腎不全患者にスピロノラクトンは使うべき?
文献
Heart Failure and Chronic Kidney Disease: Should We Use Spironolactone? - ScienceDirect
・慢性腎不全(CKD)患者の死亡原因の半分は心血管死である。
・心血管に対する有効性の証明されている治療もCKDを有する患者においては腎臓への悪影響を考えて差し控えられてしまうことがある。
・レニンアンギオテンシンアルドステロン系(RASS)は心不全の神経体液性因子における重要な役割を果たしていることが知られている。ACEIやARBはRASSの抑えてくれることが既に知られており、ガイドラインではこれらの薬に加えてスピロノラクトンもRASSを更に包括的に抑えてくれると言われている。
・これまでされているいくつかの小規模な研究ではACEIやARBにスピロノラクトンを加えてRASSをより強力に抑制したほうが心不全患者の予後が良かったということが知られている。
・また、最近血液透析中の患者にスピロノラクトンを使うと予後改善するとの報告も出てきている。
・スピロノラクトンには糸球体濾過量を低下させたり(細胞外液量減少によって)、高カリウム血症(抗アルドステロン作用によるK排泄の抑制によって)をきたすなどの副作用も知られているが定期的にモニタリングすることによって避けられるだろう。