低髄液圧症候群で起立性頭痛が起こる理由
低髄液圧症候群で起立性頭痛が起こる理由
低髄液圧症候群は起立性の頭痛の増悪と臥位による頭痛の改善という特徴的な臨床症状を示す症候群である。低髄液圧となる原因としては腰椎穿刺後、外傷による髄液濾出、その他原因不明の特発性などがある。
脳脊髄液減少症のイメージ図
脳脊髄液は中枢神経の頭蓋内・脊椎内のくも膜下腔に存在し頭部外傷など際に脳が直接ダメージを受けないようにしている。脳と脊髄が髄液中を浮かぶことで神経根と硬膜の緊張を和らげ、硬膜の痛覚繊維を刺激しないようにしている。が、何らかの原因で脳脊髄液が減少すると緩衝材の役割がなくなってしまい、起立すると脳が重力に引っ張られて下に偏位し、硬膜と脳の間の架橋静脈が牽引されて三叉神経硬膜枝が刺激されて頭痛が生じると考えられている。