つねぴーblog@内科専門医

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慢性虚血性変化とはなにか(+画像)

慢性虚血性変化とはなにか

 

頭部MRIでT2強調像やFLAIR画像で脳室周囲白質や深部皮質下白質に高信号病変を呈するものを大脳白質病変という(T1では軽度低信号)。原因は脳症血管病が基盤となっており慢性的な循環不全が持続することにより、脳卒中発症おける危険因子として捉えられている。

 

病変は左右対称であることが多く、分布によって脳室周囲病変(PVH)深部皮質下白質病変(DWMH)などと呼ばれたりする。脳ドッグのガイドラインによれば高度な脳室周囲白質障害での脳卒中のオッズ比は4.7、深部白質病変におけるオッズ比は3.6と言われており、年齢や高血圧などほかの危険因子とは独立した脳卒中発症の危険因子である。

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【脳室周囲白質と深部皮質下白質の解剖学的部位@水平断】

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◯脳室周囲病変(PVH)のグレード分類

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側脳室前角・後角周囲のcapの病変を認めたらグレード1

病変が側脳室体部に沿っているものはグレード2

病変が脳室からより遠い所(深部白質)まで波及しているものはグレード3に該当する。

 

◯深部皮質下白質病変(DWMH)のグレード分類

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深部皮質下白質領域に…

・点状の病巣があればグレード1

・点状高信号が融合しつつある病変があればグレード2

・大きな融合した高信号病変があればグレード3

 

大脳白質病変の危険因子としては高血圧、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病、非弁膜症性心房細動などが挙げられている。

 

 

参考文献:

新画像診断の勘所、ここまでわかる頭部救急のCT・MRI、脳ドッグガイドライン2014