爪下血腫への対応
爪下血腫への対応
「ドアに指を挟んだ」、「重たいものを指に落とした」、「指を踏まれた」等によって爪下血腫が生じうる。爪下出血とは爪甲と爪床の間の閉鎖空間で出血が起こる状態。少量の出血でも内腔圧力が上昇して強い痛みが生じる。
【爪の解剖の復習】
爪下血腫では血腫量が少量の場合
→冷却、抗炎症薬投与で保存的に経過を見る。爪が伸びるとともに血腫は消失し、1−2ヶ月で黒く変色した爪も脱落する。
血腫大きく疼痛が強い場合
ドレナージが必要になることが多い。 →ドレナージにはペーパークリップを用いる。
爪甲をポビドンヨードで消毒した後、ペーパークリップをL字型に曲げて先端をアルコールランプで温めて先端が赤くなるまで熱する。熱したペーパークリップを爪下血腫直上の爪甲に押し当てて2秒ほど焼く。冷めたら焼く、冷めたら焼くを何度か繰り返して爪甲に穴を開け、血腫をドレナージする。18Gの注射針を使ってドレナージする事もあるが爪床を傷つけてしまわないように注意。また血腫量が多く、爪の先まで広がっている場合は、メスを使って爪と爪床の間に切開を入れて血腫を排泄させることも。
【ペーパークリップでドレナージしている一例】
【注射針でドレナージしている一例】
http://gushiken.ti-da.net/e5635974.html
爪下血腫除去している大変わかりやすい動画@You Tube
参考文献
・レジデントノート増刊マイナーエマージェンシー(羊土社)
・マイナーエマージェンシー (医歯薬出版)
・ER実践ハンドブック