頭部MRIでT2スター撮影する意義
頭部MRIにおけるT2*(T2スター)撮影の意義
◯T2スターは微小出血の検出に有用
T2強調画像とは多くの脳病変で敏感に高信号となるが、T2強調画像にはT2スター強調像、水強調画像など様々な撮像方法があり、鉄の見え方や実質のコントラストが変化する。T2スター強調像では局所の磁化率の変化に敏感な撮像方法であり、微小出血の検出などに特に有用。出血成分内には超磁性体であるヘモジデリンを含んでいるため、T2スターでは微小出血は結節状の低信号として認められ、この所見は数年間持続する。
◯T2スターの適応
・陳旧性の微小出血の検出
前述の通り、出血成分ではヘモジデリン沈着があり局所磁場が乱れるため、T2スターでは鋭敏に低吸収域として認めることが出来る。臨床症状が全く出ないような陳旧性の微小出血はMRIのT2スターが良い適応となる。無症候性の微小出血(microbleed)は脳卒中の既往のない人5%程度にも認められる。微小出血が認められた場合、抗凝固療法や抗血小板療法で出血リスクが高いので適応は慎重になるべきとの意見もある。
・頭蓋内出血
陳旧性の微小出血だけでなく、新鮮な脳内出血でもデオキシヘモグロビンを反映して低信号域として描出される。
・脊椎の評価
また、骨の描出脳に優れ、脳脊髄液の流れによるアーティファクトが出にくいため脊椎の評価に用いることも有る。
【T2*による微小出血の一例】
http://mominoki-hp.or.jp/ndc_jisseki.html
また追記します。