扁桃周囲膿瘍が小児で少なく青年で多い理由
細菌性扁桃炎(溶連菌感染症)の好発年齢は小児であり、成人では稀である。
が、扁桃炎の進行した病態である扁桃周囲膿瘍では小児・高齢者での発症が稀で、好発年齢は20〜30代と青年期に多い。
・小児で扁桃周囲膿瘍が少ない理由は小児では後咽頭腔にリンパ組織が多数存在し、扁桃周囲の炎症は扁桃周囲膿瘍にはならずに咽後膿瘍になりやすいから。また、小児期は扁桃被膜が成人に比べて分厚く、炎症が波及しにくいからとも言われている。
一方で高齢者は扁桃周囲膿瘍が少ない理由は加齢による扁桃組織の萎縮が著明で実質が少ない且つ実質内のリンパ濾胞が存在しないことから発症は稀。
参考)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo1958/46/4/46_4_284/_pdf