つねぴーblog@内科専門医

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開眼でアルファ減衰する理由

開眼でアルファ減衰する理由(脳波の話)

 

●アルファ波とは

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画像参考:http://logos-classic.id25.com/logos_classic.html

 

脳波検査は通常「目を閉じて、何もしないが眠っていない状態」で脳活性の評価を行う。通常は後頭部優位のアルファ波(8−13Hz)があり、基礎波(律動)と呼ばれる。健常成人は8.5Hz以上の基礎律動が認められるが、8Hz以下であれば何かしらの機能障害が疑われる。このアルファ波の後頭部優位性はアルファ波の主要な発生源が後頭葉にあることを意味している。

 

脳波はもともと大脳皮質に無数にある神経細胞のシナプス結合での電位変化をマクロ的に捉えているものであるが、空間的・時間的分散性のために通常脳波は一定の形状にはなりえない。が、大脳皮質の機能が低下したときにはある程度の同期性が見られるようになる。その例が睡眠時に見られる脳波であったり、覚醒時でも閉眼してリラックスしているときに見られるアルファ波である。

 

開眼したり精神活動時(不安や緊張が強い状態など)や暗算をさせたりすると、脳活動が亢進して、同期していた神経細胞興奮が脱同期し、アルファ波は減少し、やがて基礎律動の低振幅速波パターン変化が起こる(つまりアルファ波が消失する。この現象を「アルファ減衰」あるいは「アルファブロック」などとよんだりもする)。

開眼によりアルファ減衰が起こる理由はアルファ波の主な発生源である後頭葉が視覚情報処理の中枢であるためである。

 

参考)「脳波所見をどう読むか」