化学熱傷への対応
酸性物質、アルカリ物質などに暴露された場合の対応メモ
【化学熱傷とは】
・化学熱傷とは化学物質による皮膚や粘膜の損傷。
・家庭での洗浄剤や漂白剤などでも化学熱傷の原因となりうる。
・何を、どれだけ、どのぐらいの時間浴びたのかよく問診する。
・特に、眼や気管、食道なども暴露されていないか注意深く観察する。
・症状は症例によって様々ではあるが一般的に皮膚の発赤、腫脹、水疱形成などを呈する。曝露量が多いと皮膚深部へ損傷が進行しうる。
【初期対応】
・該当物質を付着した皮膚局面から物理的に除去するのがまず第一の目標。
・衣類の上から暴露された場合は、直ちに衣類は除去する(さもないと衣類に付着している化学物質が持続的に皮膚に損傷を与え続けてしまう)。
・大量の水道水で洗い流す。酸性物質であれば1時間、アルカリ性物質であればより長時間洗う(アルカリの方が毒性が強い)。
・可能であれば体温程度の温水シャワーの方が望ましい。
・酸やアルカリにおいては大量の水道水に勝る中和法はない。
・特殊なケースとして、フッ化水素暴露など特殊な原因においてはグルコン酸カルシウムの皮下注射による中和を考慮する。ガソリンや灯油などの有機溶媒が付着している場合は石鹸を用いて洗い流す。
・洗浄後は、熱傷に準じた治療を行う。場合によっては細菌感染の予防的抗菌薬投与や植皮などの形成外科手術も考慮される。
また追記します。
参考)
日本形成外科学会ホームページ
ER実践ハンドブック