HCV抗体とHCV-RNAの解釈
HCV抗体とHCV-RNAの関係について復習的まとめ
C型肝炎の診断においてHCV抗体とHCV-RNAが用いられる。C型肝炎の感染経路としては医療現場においては針刺し事故や注射器の使い回しなど。感染後急性肝炎となっても30%は自然に治癒し、70%は慢性化する。慢性化すると肝硬変、肝臓がんへと進展する。
●HCV抗体価の意義
HCV抗体はHCVが感染したことにより体内で産生される抗体であるが中和抗体ではないのでHCV抗体があるからと言ってウィルスを抑えてるという意味にはならない。
HCV抗体陽性高値(10以上)→現在HCV感染している可能性が高い
HCV抗体陽性低値→C型肝炎の既感染の可能性が高いが感染の初期の可能性もあるのでHCV-RNA検査も行い診断する。
HCVは感染直後では上昇しないので、初診時に陰性だからと言って急性C型感染を否定できるものではない。HCV感染してからHCV抗体が陽性になるまで2−3ヶ月かかる(ウィンドウピリオド)。
●HCV-RNAの意義
一方で、HCV-RNAとはウィルスのRNA(つまり本体)の測定なのでHCV-RNAが高値であれば現在のHCV感染を意味する。が、感染直後から陽性となるわけではなく、HCV感染してから3週間ほどしてHCV-RNA陽性となる。
逆にHCV抗体が陽性でHCV-RNAが陰性であれば「かつてHCVに感染していた(既感染)もしくはHCV抗ウィルス療法によりウィルスが消失した状態と判断される」
HCV-RNA量はインターフェロン療法の効果判定に用いられるが、一般的に5logIU/mL以上を高ウィルス量、5LogIU/mL未満を低ウィルス量とされる。
引用:http://jibyo.hoken-mammoth.jp/notice/hcv/
まとめ
まずはHCV抗体価をチェック(抗体高値であれば現在のHCV感染示唆、陽性低値であれば既往感染を示唆、陰性であれば否定的だが、感染後3ヶ月ほど経過しないと陽性にならないので要注意)
HCV抗体陽性ならHCV-RNA測定する
HCV-RNA高値(5logIU/ml以上)であれば現在のHCV感染を示唆
HCV-RNA低値(5logIU/ml以下)であればHCV既往感染を示唆