ショックでは特徴的な皮疹が出る(網状皮斑)
網状皮斑(livedo reticularis)とは末梢の循環不全によって生じる四肢の限局的な領域に赤〜青色に変色した斑点状or網状の皮疹のことである。原因は多岐にわたるが、血流障害や血管壁の問題、その他先天性や特発性がある。
血流障害の例としては心不全やショック、あるいは塞栓症などによって末梢に血液が到達しないことによって生じる。血管壁障害としては動脈硬化や血管炎(全身性エリテマトーデスなどの膠原病)、その他アテローム塞栓症、抗カルジオリピン抗体、過粘稠度症候群などに合併しうる。
網状皮斑の例その1
https://ameblo.jp/aoyamahihuka/entry-11176836487.html
網状皮斑の例その2
http://www.collagen-disease.com/eruption.html
基本的には循環不全が背景に有り出現する皮疹であるので、寒冷曝露で網状皮斑は著明になる。救急外来では特にショックの徴候として重要である。明らかな血圧低下があればショックとして認識することは容易であるが、血圧が正常でも次の条件を満たすとショックとして扱われるのでショックの早期発見として重要である。ご参考までに。
◯血圧正常で次の症候のうち3つ以上該当すればショック状態
(UCSFに学ぶ出来る内科医への近道参照)
・不安、無感情、興奮、嗜眠、昏睡
・呼吸数≧20
・乳酸≧2mmol/L or Base Excess≦-5mmol/L
・四肢冷感か網状皮斑が出現
・乏尿<30mL/時
・体温<36度