(医療用)小児用バファリンと市販の小児用バファリンの違い
紛らわしい薬の整理
(医療用)小児用バファリン(バファリン配合錠A81)の主成分はアスピリン。A81というのはaspirinが81mg含まれているという意味。アスピリンは血栓予防作用があるために心筋梗塞や狭心症の治療で用いられる。脳梗塞の治療においてはワーファリンや新規経口抗凝固薬(NOAC)が第一選択であり、アスピリンは原則として使用されない(出血合併症のリスクが高まるだけである)。
紛らわしいことに、薬局で売ってる小児用バファリンCⅡは成分がアセトアミノフェンであり、血栓予防効果はまったくない。ただの解熱鎮痛薬であり安心安全に服用できる。
なぜこんなややこしい薬が2つあるのか。
もともとは(医療用)小児用バファリンは小児の解熱鎮痛薬として用いられていたが、アスピリンで小児のライ症候群が引き起こされることがわかってからは小児にアスピリンは用いられなくなった。2000年に医療用小児用バファリンの製造は取り下げられている。その代わりに同一成分のバファリン配合錠A81が承認され発売されている(大人の血栓予防目的として)。つまり2000年までは医療用小児用バファリンとして売られていたものが、名前だけを変えてバファリン配合錠A81として製造されているのである。