腹痛患者に吐き気の有無を問診する理由
腹痛の原因疾患によって吐き気を伴いやすいかどうかが異なるので、吐き気の有無の問診は診断において重要。
一般的に、何らかの原因によって小腸の蠕動が停止すると強い吐き気を伴うと言われている。例えば虫垂炎では小腸の末端まで炎症が波及して小腸の蠕動が抑制されるために吐き気を伴うことが多いのに対して、大腸の憩室炎などでは小腸まで炎症が及ばないために吐き気は伴わないことが多い。
以上のような考えに従えば、小腸型の腸炎や、腸閉塞では吐き気を伴う、大腸型の腸炎や婦人科疾患などでは吐き気を伴わない。などとある程度腹痛の原因を推測することが可能となる。
【腸管のイメージイラスト】