つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

鉄欠乏性貧血に鉄剤をいつまで続けるか

鉄欠乏性貧血をみつけたら…

 

多くの場合は鉄欠乏性貧血(高齢者の消化管出血だったり、女性の月経によるものであったり)。鉄欠乏性貧血はヘモグロビンの材料となる鉄がないために赤血球の袋に入るコンテンツがなくなり、低色素性小球性貧血となる。

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診断には貯蔵鉄を反映するフェリチンの値が重要。フェリチンの値が小さければ鉄欠乏性貧血、多ければ慢性炎症に伴う貧血(慢性感染症、悪性腫瘍)と考える。

値としてはフェリチンが100ng/ml以下であれば鉄欠乏性貧血、100ng/ml以上であれば慢性炎症に伴う貧血。と100をカットオフ値にするのが一般的。

値が微妙で悩ましい場合でも診断兼治療目的で鉄剤を投与しリアクションをみる。鉄剤投与は貧血の値(つまりヘモグロビン値)が改善してすぐに中断してはならず、貯蔵鉄(フェリチン)の値が改善するまで続ける(→フェリチン25ng/ml以上)。多くの場合は貧血症状焼失後も3ヶ月前後治療継続の必要がある。