つねぴーblog@内科専門医

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心膜摩擦音の機序とその音声紹介

心膜摩擦音の機序とその音声紹介

 

心膜摩擦音とは心膜炎で聴取される心雑音。

 

心膜炎とは心臓を覆っている心膜が炎症を起こした状態であり、急性心膜炎と続発性心膜炎に分類される。

・急性心膜炎は原因のはっきりしない特発性か、ウィルス感染によるものが多く、2週間程度で自然に軽快する。

・続発性心膜炎は悪性腫瘍や膠原病、心筋梗塞などの基礎疾患から続発的に心膜に炎症が引き起こされる病態。

 

心膜炎の診断は体位によって変動する胸痛、心電図のST上昇、採血での炎症反応の上昇など総合的に行われるが、心膜摩擦音も重要な所見である(約50%の患者に聴取)。心膜摩擦音は心膜に炎症が起こり、粗造となった心膜と心臓がこすれることで生じる。

典型的には三相性であり

・心室収縮期:心室収縮による音

・心室拡張中期:急速充満拡張による音

・心房収縮期(つまり心室収縮期直前):心房の収縮による音

の3つの音からなり、機関車の走るような高調性の雑音に聴こえる。何よりも大事なことは心膜と心臓のこすれる時に聞こえる音なので体位によって著明に変動するということである。患者に前屈位になってもらうことでよりわかりやすい

 

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【心膜摩擦音の音声by youtube】

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