ドパミンアゴニスト製剤の使い分けmemo
ドパミンアゴニスト製剤の使い分けmemo
(レキップ®、ビ・シフロール®、ロチゴチン®、アポカイン®、パーロデル®、カバサール®)
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/061207html/index2.html
■ドパミンアゴニストはLドパと比べて抗パーキンソン病作用は少ないが、ドパミンアゴニスト製剤の単独投与もしくはL-dopaとの併用により、Ldopaの治療効果を持続させ、wearing offなどの発現を低下させることが出来る。
パーキンソン病の治療でもっとも効果があるのはL-dopaであるが、L-dopaを長期間使い続けると次第に効果が減弱してし合うので、L-dopa使用量を少なく済むようにドパミンアゴニストもかませる。ドパミンアゴニスト単独で使うのは比較的若年者で認知機能にも特に問題ない患者である。高齢PD患者であれば出し惜しみせずに最初からL-dopaを使うことが多い。
■ドパミンアゴニスト製剤は麦角系と非麦角系とに分けられる。主な副作用として麦角系では稀ではあるが、心臓弁膜症、胸膜線維症などがあり、非麦角系では突発性の過眠、性欲の亢進、病的な賭博などの可能性がある。
【非麦角系アゴニスト】
レキップ®(ロピニロール) (2006年発売)
レキップの名前の由来→Re(再び)という接頭語と equip(備える)
・第二世代非麦角系アゴニスト。
・D2作用のみ
・軽症PDおよび進行期PDに効果がある。(単独投与でもADL維持効果、運動症状の予防効果あり。進行期においてはoffの短縮、L-dopaの減量効果あり)
・病的賭博、反社会的行動を起こす確率がLdopaや麦角系に比べて高いので投与は慎重に
・1日3回投与
ビ・シフロール®(プラミペキソール)(2004年発売)
名前の由来→発売元のベーリンガー・インゲルハイム(BI)の頭文字をとってビ・シフロールと名づけられた。もともとはシフロールという名前だったが抗がん剤ミフロールと紛らわしいものがあり厚労省に変更を指示されるという経緯。
・D2作用+D3作用(D3親和性があるので抗うつ効果がある)
・早期PD、進行期PDに対する効果でL-dopaと同等
・進行期PDにおいてはoff時間の短縮、L-dopaの減量が認められる
・高用量ではPDに関連する感情障害にも効果あり
・腎臓代謝で腎不全では投与量減らす
・レキップと同様に病的賭博、反社会的行動を起こす確率がLdopaや麦角系に比べて高いので投与は慎重に
・1日3回投与
ニュープロパッチ®(ロチゴチン)(2013年〜)
・貼付薬であるので薬物血中濃度が24時間持続し、ドパミン濃度を一定に保つことが出来る。経口投与であれば末梢での吸収、代謝の影響を受けるので血中濃度が拍動的になってしまうという問題点があった。
・1日1回投与で良い
・貼付部位に発赤、びらん、掻痒感など出現しうるので注意
アポカイン®(2012年)
・即効性があり、皮下投与で用いられる。皮下注射後20分で効果が出現し、120分持続する。
・Lドパの効果が高く、wearing offの強い症例で社会活動などで外出の多い患者ではレスキューとして推奨される。
【麦角系アゴニスト】
麦角系は心臓弁膜症や胸膜線維症などの副作用が報告されている。
パーロデル®(ブロモクリプチン)
・D1,D2作用
・パーキンソン病治療ではじめて用いられたドパミンアゴニスト製剤
・PDの運動症状の改善をもたらすが、その効果は他のドパミンアゴニストに比べると若干劣る。
・幻覚などの精神症状がL-DOPAに比べると出やすい。
カバサール®(カベルゴリン)
・D2受容体に働く
・早期PDに対しての効果はL-dopaに比べるとやや劣る
・が、他のアゴニスト製剤に比べて作用時間が長い
・カベルゴリンの使用でL-DOPAの使用を遅らせることができて、運動問題症状の発現が有意に減少させる。
・進行期PDにおいてはoff時間n短縮のみならず、offの程度を軽快させる(底上げ効果)
・1日一回投与