末梢性顔面神経麻痺と中枢性顔面神経麻痺の鑑別
【中枢性・末梢性顔面神経麻痺のイメージ】
画像参照:http://heart-clinic.jp/index.php?%E7%A5%9E%E7%B5%8C
◯中枢性の顔面神経麻痺の場合(核上性顔面神経麻痺)
病変の対側の顔面下部のみの麻痺が生じる
→額のしわ寄せや閉眼は出来るが、鼻唇溝は浅くなり、口角を上げることができない。
◯末梢性の顔面神経麻痺の場合(核下性顔面神経麻痺)
病変と同側の顔面上部+下部の麻痺が生じる
→鼻唇溝は浅くなり、口角を上げることも出来ないのに加え、額のしわ寄せや閉眼もできなくなる。味覚障害や聴覚過敏、涙腺・唾液腺の分泌低下を伴うこともある。
端的に言えば
額のしわ寄せや閉眼が出来なければ末梢性顔面神経麻痺
額のしわ寄せや閉眼ができれば中枢性顔面神経麻痺を考える
☆何故中枢性の顔面神経麻痺では顔面上部の障害が出ないのか?
→顔面上部の筋に分布する顔面神経の核が両側性の大脳皮質支配を受けているから、反対側の顔面神経核が顔面上部の運動を代償してくれる。