ムコダインとムコソルバンの違い
ムコダイン®とムコソルバン®の違い
ともに去痰薬であるが作用機序や役割は異なる。
ムコダイン®(一般名カルボシステイン)
ムコダインには2つの働きがある。1つは杯細胞からの粘液分泌を抑制する働き、もう一つは気道粘液修復の作用でありシアル酸とフコースの構成比を正常化する(痰にはムチンという糖タンパク質がありネバネバの原因となっている。ムチンにはフコースとシアル酸があり、フコースの割合が多くなると特に粘性が上がると言われており、ムコダインではこの比率を改善することが出来る)。
また、ムコダインは粘液分泌抑制、つまり喀痰量自体を低下させることができるので「サラサラした喀痰」を訴える患者には良い適応である。また、ムコダインはCOPDの急性増悪を抑制したという報告もあり、COPD既往の方には積極的に用いられる。
ムコソルバン®(一般名:アンブロキソール)
ムコソルバンは肺サーファクタントの分泌を促すことによりネバネバした喀痰を排泄しやすくする(=気道粘膜潤滑薬)。よってネバネバした喀痰で「痰の切れが悪い」と訴える患者にはムコソルバンが良い適応である。逆にサラサラの喀痰が出ている患者にムコソルバンを処方しては喀痰量が多くなるだけのこともあるので不適当。
まとめ
・サラサラの喀痰→ムコダイン
・ネバネバの喀痰→ムコソルバン
が良い適応