つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

細菌性副鼻腔炎における抗生剤の選択は?

 

 

細菌性副鼻腔炎の原因菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラなどが代表的。これらは中耳炎の原因菌とほぼ同様である(何故なら副鼻腔炎と中耳は解剖学的に連絡しているため)。

 

米国感染症学会(IDSA)による副鼻腔炎ガイドラインではエンピリカルな治療の第一選択薬がアモキシシリンからアモキシシリン・クラブラン酸に変更された

アモキシシリン(サワシリン®)

   ↓

アモキシシリン・クラブラン酸(オーグメンチン®)

 

これは小児の肺炎球菌ワクチンが普及したことにより成人においても肺炎球菌罹患率が減少し、そのかわりインフルエンザ菌やモラクセラによる副鼻腔炎の割合が増えたためである。インフルエンザ菌やモラクセラはβラクタマーゼ産生菌であり、βラクタマーゼ阻害剤であるクラブラン酸が配合されているオーグメンチンの方が著効する。日本においてもアモキシシリン・クラブラン酸の処方は妥当であるとかんがえられる。

 

(過去記事より)急性副鼻腔炎で抗菌薬治療の適応 

・片側性の頰部の強い痛み、腫脹、熱感がある時(持続期間にかかわらず)

・1週間以上症状持続+頰部の痛み、圧痛、膿性鼻汁、二峰性の病歴あり

・1週間以上症状と発熱(38.3度以上)が持続しする場合

 

参考文献:レジデントのための感染症診療マニュアル