虫垂炎の身体所見いろいろご紹介
虫垂炎の身体所見いろいろご紹介
◯McBurney点の圧痛、Lanz点の圧痛
Mcburney点とは右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の外側1/3の点。虫垂の付着部の位置。
Lanz点とは左右の上前腸骨棘を結ぶ線の右外側1/3の点。虫垂の先端の位置。
虫垂炎ではこれらの点に限局する圧痛が出現する。
◯Psoas sign
psoas signとは虫垂の炎症が後腹膜にまで及んでいる場合、隣接する腸腰筋が引き伸ばされた時に虫垂が刺激されて痛みが誘発される事を言う。方法として下の写真のように患者に左側臥位になってもらった状態で右手で患者の右下肢を持ち、左手を患者の右腰部に添えて、右股関節を伸展させて腸腰筋を背側に引き伸ばす。これで痛みが誘発されればpsoas sign陽性となる。腹膜刺激症状がはっきりしないが、虫垂が盲腸背側にあるときなどに有用な試験。
◯Rovsing徴候
患者に仰臥位になってもらい、左下腹部(下行結腸の位置)を圧迫することで痛みを誘発させる方法。大腸ガスが押しやられて回盲部に移動し、虫垂を刺激するために痛みが生じる。
https://jp.pinterest.com/explore/rovsing's-sign/
◯Rosenstein徴候(ローゼンシュタイン徴候)
左側臥位でMcBurney圧痛が仰臥位の時よりも増強する。虫垂が重力により伸展するため。
◯obturator徴候(閉鎖筋徴候)
obturator signとは骨盤内にある虫垂が炎症を起こした時に隣接している閉鎖筋が引き伸ばされた時に虫垂が刺激されて痛みが誘発される所見をいう。方法としては右股関節と膝関節を屈曲させてから右股関節を内側に回旋させる。
右股関節内旋で疼痛が誘発されれば陽性。
Abdominal Physical Examination - ppt download
↓youtube動画が一目瞭然にわかりやすい。
骨盤内への炎症の波及を示唆するobturator徴候の感度や虫垂に間接的に負荷をかけるRovsing徴候、Rosenstein徴候の特異度は一般的に低いとされている。が、反跳痛などの腹膜刺激徴候がはっきりしない患者の場合などは試してみる価値がある。
また追記します…。