つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

麻酔覚醒時のシバリングが危険な理由

外科手術中は低体温が起こりやすい。その原因としては

1,手術室の室温が空調によってかなり低めに設定されている。

2,更に患者は術衣を脱いでほぼ裸の状態に晒されている。

3、そして何よりも全身麻酔によって末梢血管の拡張が起こり、熱が中枢から末梢部分へ移動し、身体核心部の体温は1〜1.5度低下する。

 

低体温状態のまま麻酔から覚醒するとシバリング(筋肉のふるえ)が起こる。ふるえは健常人でも起こる生理的な反応である。

が、シバリングでは急激に交感神経が刺激され、頻脈そして末梢血管の拡張が起こり酸素消費量が安静時の2〜3倍になる。結果として心筋虚血、低酸素血症、凝固障害、出血量の増加、創部感染の増加、麻酔からの覚醒遅延など様々な合併症が起こると報告されている。