大腸憩室炎のCT所見
憩室とは
大腸憩室は大腸の一部が袋状になって外に飛び出しているものをいう。40歳以上で徐々に増加することが知られ、45歳以上の3人に1人、80歳以上の3人に2人が憩室を持つとも言われている。日本人では欧米に比べると頻度はまだ少ないが食生活の変化に伴い増加傾向にある。
憩室の場所としては70%が盲腸〜上行結腸、16%が下行結腸〜S状結腸、14%が右半結腸と左半結腸の両方に存在する。左半結腸の憩室は高齢者に多く、右半結腸の憩室は若年者に多い。憩室に炎症が起こる憩室炎になる人は12.5%(つまり8人に1人)とも言われている。
憩室炎の診断
大腸憩室炎の診断には腹部CTが有用。造影をすれば他の疾患の除外も可能(感度93~97%、特異度100%)。
【CTでのポイント】
憩室が存在
結腸周囲の脂肪織の炎症
4mm以上の結腸壁の肥厚
憩室周囲の膿瘍
を認めたときに大腸憩室炎と診断する。
【憩室炎CTの一例】
http://www.teramoto.or.jp/teramoto_hp/kousin/sinryou/gazoushindan/case/case61/index.html
上行結腸内腔に糞塊がやや目立ち、壁外に突出する憩室が多発している(→)。結腸周囲脂肪織の混濁も明らか。
【憩室炎のCTの一例その2】