帯状疱疹へのアプローチ(メモ)
帯状疱疹とは
帯状疱疹は脳神経の神経節や後根に潜伏している水筒・帯状疱疹ウィルス(VZV)が再活性化することにより生じる。VZVの再活性化のリスク因子としては加齢、免疫抑制状態(癌、糖尿病、ステロイド、HIV感染など)。特に帯状疱疹の発症の半数は65歳以上と言われている。
画像一部引用:http://www.maruho.co.jp/kanja/taijouhoushin/about.html
●臨床像
・前駆症状(悪心、頭痛、倦怠感)などが数日間
・発熱はまれ
●痛みの性状
・痛みの性状は様々(ちくちく感、かゆみ、圧痛、電撃痛、知覚過敏など)
・疼痛が発疹に先行することも多いため、他の内臓疾患と誤診されることも多い。ときには数週間に渡って痛みが先行するないしは、発疹が出現しない場合もある(無疹性帯状疱疹)
●発疹の性状
早期の発疹は紅斑性丘疹からなり、通常は後部から出現し、侵された神経支配領域の走行に沿って前面に拡大する。24時間以内に紅斑の上に小水疱が集簇性に出現し、3−5日間立つと膿疱化、潰瘍、痂皮へと変化していく。
画像引用:https://nurse-like.com/%E5%B8%AF%E7%8A%B6%E7%96%B1%E7%96%B9/
●ピットフォール
・頭部の帯状疱疹は髪に隠れていて見逃しやすい。
・側胸部痛を主訴に来院した場合背中の発疹を見逃してしまう。
・三叉神経第一枝領域の帯状疱疹は角膜炎、虹彩炎、続発性緑内障を合併し視力障害を引き起こしうるので注意(Hutchinsons sign)。
・皮疹が3分節以上にまたがって出現している場合は汎発性帯状疱疹を疑う。VZVが血流に乗って全身に播種している状態であり、治療、感染管理は水痘と同じく陰圧個室管理。
●検査・鑑別
病歴と皮疹で診断可能。診断が難しい場合は水疱内容物を検査する(Tzanck試験で多核巨細胞を認めればヘルペス族の感染と診断できる)。発熱などの全身症状や皮疹が解剖学的、物理学的に限局しない場合は他の全身性疾患を疑う。
●治療
・皮疹部位は感染源となるので必ずガーゼで覆う。
・顔面や1領域を超える場合はアシクロビル、重篤でない場合はバラシクロビル投与。
【追記】
Q、帯状疱疹は人に移りますか?
A、帯状疱疹は帯状疱疹として人にうつらない。が、みずぼうそうにかかったことのない乳幼児に水疱瘡として移ることがある。特に三領域以上にまたがる汎発性帯状疱疹や覆えない病変がある場合、免疫不全患者の場合は水疱と同じように空気感染するリスクがあるので陰圧個室管理となる。
画像参考:http://www.maruho.co.jp/kanja/taijouhoushin/about.html
また追記更新します…