冠危険因子とTIMIリスクスコア
胸痛患者の診察において急性冠症候群(ACS)の発症リスクがどの程度あるのか冠危険因子を把握する必要がある。冠危険因子は問診で、TIMIリスクスコアは問診に血液検査、心電図検査を併せて評価する。
冠危険因子
・冠動脈疾患の家族歴
・喫煙歴
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・慢性腎臓病
TIMIリスクスコア(各1点)
・年齢:65歳以上
・50%以上の冠動脈狭窄の既往
・冠危険因子3つ以上
・7日以内にアスピリン使用歴
・24時間以内に2回以上の胸痛
・心電図で0.5mm以上のST変化
・心筋バイオマーカーの上昇(トロポニン、CKMB)
■TIMIリスクスコアと30日間の胸痛発作の発生率(JAMA:2000;284:835-42)
0点:2.1%
1点:5%
2点:10.1%
3点:19.5%
4点:22.1%
5点:39.2%
6点:45%
7点:100%
☆TIMIリスクスコアで大事なのは年齢。65歳以上というだけで1点であり冠危険因子6個満たしているのと同じ重み付けになっている。高齢者であれば誰でもACS発症リスクを有していることに気をつける。