CK-MBとトロポニンの違い
CK-MBもトロポニンTも心筋の障害マーカー。それぞれの違いをまとめ
CK-MB:
心筋に豊富に存在するが、多臓器にもある。
特異度が低いため(88%)、何度か検査が必要
心筋の障害後、4〜8時間で上昇
12〜18時間でピーク。
発症後24時間で感度は55%にまで下がる。
半減期は短く2〜3日で正常化
トロポニンT
・心筋梗塞のマーカーとしては第一選択。
・感度は発作後6時間では50%だが、9〜12時間では感度95%にも達する。
・心筋梗塞後、1週間にわたって陽性(基準値超え)。
・CK-MBより特異性が高い(97%)が、他の原因でも上昇する。例えば心筋炎や心不全などの心臓の病態だけでなく、ショックや熱傷、敗血症などの心臓以外の病態でも上昇するので注意。
・腎排泄なので腎機能低下患者でも偽陽性となる。
CK-MBもトロポニンTも発症後6〜8時間経過しないと感度が低い。
つまり来院直後の血液検査で心筋マーカー上昇していなくても「なんとも言えない」
発症直後では冷感、血糖上昇、リンパ球上昇が診断のヒントとなりうる。
■ちなみに・・・
・典型的な胸痛発作
・ST上昇
・心筋障害マーカーの上昇
このうちの2つを満たせば心筋梗塞と診断できる。血液検査をまたずに循環器コンサルが必要。