つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

肺炎疑いでいつ胸部レントゲンを取るべきか

◯上気道症状患者の中で肺炎は5%だけ

肺炎を疑うには病歴、身体所見、画像検査の3つが大事。

一般的には咳嗽や喀痰、発熱などの症状を呈している患者の胸部レントゲンで浸潤影を認めたときに肺炎と診断される。

単純に考えれば咳嗽、喀痰、発熱など上気道症状を訴えている患者全例に胸部レントゲンを取れば肺炎を見逃さずに済みそうであるが、非常に無駄が多い。救急外来を上気道症状を主訴に来院する患者のうち、実際に肺炎なのは5%しかいないというデータもある(95%のレントゲンは無駄撃ち)。

そこで、どういうときに肺炎を疑うか、言い方を変えれば、どういう時に胸部レントゲンを撮影するかと考えることが大事である。全例に胸部レントゲンをとっていたら病院の利益にはなるが忙しい救急現場は回らなくなる。

 

◯バイタルサインの異常の数と肺炎は相関する

ある報告(Am J Emerg Med.2007;25:631-636)によると、バイタルサインの異常の数の多さと肺炎の確率は相関するというものである。

・体温(>38度)

・脈拍(>100回/分)

・呼吸数(>20回)

・SpO2(<95%)

考えれば当たり前かもしれないが、「急性の上気道症状」+「上記の異常1つ」でもあれば胸部レントゲンの施行は必要。レントゲンの結果、肺炎でなかったとしてもその撮影は肺炎除外のために必要だったと考える。逆に急性の上気道症状であってもバイタル異常に1つも引っかからなければ撮影はいらない(=感冒、気管支炎と考える)。

 

*注意1:高齢者の場合は発熱などのバイタルサインの異常が出にくいので37度台などでも熱発と解釈しても良い。若年者と違いレントゲン撮影のハードルは下げるべきである。

*注意2:バイタルサインの異常の有無で胸部レントゲンの適応を判断すると無駄な撮影を減らせる点で有用であるが見逃しのリスクも有る。バイタルで引っかからなくても肺炎の可能性が考えられる状況では撮影する。(病歴、身体所見(coarse crackleの有無、呼吸音減弱など)