CRPと赤沈の違い
CRPと赤沈の違い
CRPと赤沈は共に炎症と共に亢進する検査所見である。
CRPとはC-reactive proteinの略であり、急性相反応物質である。炎症性疾患や体内組織の崩壊がある場合に血中で増加し、炎症マーカーとして用いられる。一方、赤沈とは赤血球が試薬内を沈んでいく早さを見る検査。CRPと同様に感染症などで慢性的な炎症があると亢進する。
臨床現場で最も使われるのはCRPであり、炎症に反応して速やかに上昇し、炎症が治まれば減少する。CRPの推移を見ることで炎症の活動性を評価することができる。
赤沈は炎症の有無を調べるためにCRPよりも古くからも用いられていた。ただし赤沈の亢進には炎症から時間がかかってしまうことが欠点がある。炎症においてはCRPの方が赤沈よりも鋭敏な指標と言える。
・CRP陽性、赤沈亢進の場合
炎症性疾患全般(肺炎、尿路感染、髄膜炎、扁桃炎…etc)
組織崩壊性疾患(心筋梗塞や悪性腫瘍のように組織崩壊を伴ってもCRPは上昇する)
・CRPが陽性で赤沈亢進のない場合
急性炎症の初期(赤沈は亢進するのに時間かかる)
感染症や癌に併発したDIC
・CRPが陰性で赤沈のみ亢進する場合
急性炎症の回復期(CRPが正常に戻っても赤沈は正常化するのに時間がかかる)
ウィルス性感染症(炎症が弱いためにCRPは上昇しないことがある)
妊娠
ネフローゼ症候群
貧血
・CRP陰性、赤沈の亢進なし
no problem..
参考記事: