つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

劇症1型糖尿病の診断基準

劇症1型糖尿病とは

1型糖尿病は発症の経過で急性発症1型(数週間〜数ヶ月)、劇症1型(数日間で急激に発症)、緩徐進行1型(数年〜数十年)のものに分けられる。

劇症1型糖尿病の病態としてはウイルス感染による膵臓炎、あるいはウイルス感染に対する自己免疫応答、または、その両方が膵島β細胞の急激な破壊につながると考えられている。

 

診断基準:

1、糖尿病症状発現後1周間前後以内でケトーシスあるいはケトアシドーシスになる。

2、初診時の随時血糖値>288mg/dlかつHbA1c<8.7%

3、発症時の尿中Cペプチド<10μg/日、または空腹時血中Cペプチド<0.3ng/ml、かつグルカゴン負荷後の血中CTペプチド<0.5ng/ml

 

(1について)

膵臓のβ細胞が破壊されることによってインスリンが絶対的に欠乏し、エネルギー源として糖の利用が低下する代わりに脂肪の分解が進んでケトン体が急激に増えることによる。

(2について)

インスリンが欠乏してることにより随時血糖値が高くなるが、急激な発症であるために過去30日間の平均血糖値を反映しているHbA1cはそこまで上昇しない。(ただし、元々境界型の糖尿病など、耐糖能異常がある場合はこの限りではない。)

(3について)

Cペプチドはインスリンが体内で合成される時に分泌されるタンパク質の末端であるが、β細胞が破壊されてインスリン産生が低下すればCペプチド量も低下する。